メタファーとは、抽象的な内容をより具体的な対象に見立てる表現のことです。例えばパソコンの画面に使われるフォルダは実際にはハードディスクのなかの記憶領域と紐付けされた情報の1つにすぎません。 この概念と機能を紙挟みのような形状で表したメタファーです。 車が弾丸のように壁を打ち破って飛び出していたり、栄養ドリンクを飲んだサラリーマンがヒーローに変身して戦ったりと、メタファーを用いた広告表現の手法は昔からよく使われてきました。商品の特性を伝える手法としてメタファーは格段にわかりやすくまた、視覚的にインパクトのある面白いグラフィックを作成しやすいものです。特に具体的に表現することが難しい特性、例えば、早い、環境に優しい、ナチュラルな、といったものを表現するのに向いています。また、文章でのメタファーとは異なり、グラフィックでは一つの絵柄に複合的にメタファーを仕込むことも可能です。何かに見立てることで楽しさやユーモアを感じさせることもできるでしょう。 メタファーはメインビジュアルとして前面に押し出すのが最も効果的ですが、グラフィック表現のなかではもう少しさりげない取り入れ方もあります。例えば、清涼飲料水の広告で、商品の背景に森の木々を合成したり、未来を考えると言ったテーマの雑誌記事の扉に空の写真を用いたり、といったもの。強いメタファーを持ったビジュアルに比べると、人目を引き付ける効果はやや落ちますが、見た人に自然に受け入れられやすいと言えます。